高専・情報・サイエンス・工業 高校訪問・情報(千葉・東京)

君塚広・直子が実際に学校に足を運んで得た情報 です。
私たちの見解、印象が含まれます。ご了解くださいませ。

2010.12/04(土)市川工業高校 学科説明会 出席

・新浦安駅から近い!電車に乗ってから23分で市工に着いてしまった(西船橋での乗り継ぎが良い場合)

・「機械」「電気」「建築」「インテリア」の4科があり、私は「機械」「インテリア」の説明と施設案内を聞いた

・定員80名の「機械」に今日の説明会出席の中学生60名近く(保護者は除く)と人気が高そう

・今の中3の入試から、前期試験も後期と同じく学科試験となる(共に、5教科の学力検査+面接+内申)
面接にはそれなりのウェイトを持たせるそうだ

・市工は、卒業生の半数余が進学(専門学校(進学の半分弱)を含む)

・専門学校は、機械科の場合、自動車整備士をめざして工業に入学してくる生徒も多く、そういう生徒が卒業後2年間の専門学校に進んで整備士の免許をとる

・今年は求人の状況はいつになく非常に厳しいが、それでも現時点で100名足らずの就職希望に対して、500社以上の求人が来ている

・3年生は自分でやりたいことを見つけて1年かけて課題研究に取り組む。その中で鍛造(たんぞう)を選ぶ学生は「下総鋏」と呼ばれる金切り鋏を作る。ナイフなどではなく鋏を仕上げるのは千葉県内の工業高校では市工のみ

・インテリア科はこの数年女子が増えた様子で、女子が半数以上!今日の説明会参加も機械は全員男子に対し、インテ(インテリア科ベテランの先生が「インテ」と呼んでいた)は男子4人女子18余人。デザイン方面を高校時代に専門で学べる学校は少ないから人気が高まっているのだろう

・インテの施設見学中に、男子中学生がもうひとりの男子に「インテリアはちゃらちゃらしてるかと思ったけどそんなこと無いな」

・「デザイン」が前面に出そうな雰囲気だが、木工の好きな生徒が集まるのもインテ

・学校パンフレットにもhpにも市工祭の名物である「アーチ」がひとつだけ写真で載っているが、説明会に行ったら、廊下に毎年のアーチの写真が何十年分もちゃんと記録として撮られており、貼ってあった。もったいない!!!この写真を総て是非hpに掲載して欲しい!!

2010.12/5(日)都立産業技術高専 荒川キャンパス 説明会

南千住の駅から平らな道を15分歩くと、隅田川沿いのいいところに荒川キャンパスがある。
東京スカイツリーが大きく見える

・360席ほどのホールがほぼ満杯の説明会だった

・品川キャンパス(元都立高専)と荒川キャンパス(元都立航空高専)の違いは、
共に機械系・情報系・電気電子系のコースを持つが、
品川キャンパスにある4コースの方がより基礎工学系で、

荒川キャンパスにある4コースの方がより応用工学系 という説明

・1年次はまだコースは決定せず、全員が同じカリキュラムで広く工学の基礎を学ぶ
1年勉強してから、自分の専攻したいコースを決め、その際にキャンパスも変更可能

・願書提出時には、1年次に荒川・品川どちらのキャンパスに通いたいか希望を出すが、
合否は、キャンパスにかかわらず総人数をとって、それから成績順に第1希望のキャンパスに振り分けていく。最後片寄りが出た分のみ調整する

・今年の卒業生は、42%大学進学(うち、82%国公立、18%専攻科・私立)
53%就職(夏休みを境にほぼ100%決定。今年度は求人倍率6倍)

・センター試験を受けずに、数学・英語・専門分野の試験のみで大学3年次に編入が魅力

・都外受検者は、後期の学力検査のみで前期の推薦選抜は受けられない
(22年度は113人受検70人合格。今年もその位になる?)やはり、都外枠の方が若干難しいらしい

・学力検査は、国・数(1.5倍)・英の学科試験と中学3年次のみの内申(配点比率7:3)

・部活は、高専ロボコンの他、元航空高専だけあって「鳥人間コンテスト」部もある

・高専ロボコンは、品川キャンパスとは全く別チームとして参加する  (君塚 直子)

2010.12/12(日)都立産業技術高専 品川キャンパス 説明会

・りんかい線品川シーサイドの駅から近い。駅のホームから5~6分で学校に到着

・400席ほどのホールがほぼ満杯の説明会だった

・どこのコースを専攻したら良いかについて
工学は大雑把に分けたら、機械・電気・建築・化学に分類できる。産業技術高専にはその内、機械と電気がある。
今やどの分野でもコンピュータは無くてはならない。情報分野ではコンピュータが目的となり、機械分野では道具である違いはある。一番コンピュータを使うといったら機械分野の生産システムコースではないか。だから、コンピュータを使いたければ何がなんでも情報分野という訳ではない。
電気電子コースは広い範囲で電気を扱う。強電から弱電まで。

・進学先として、以前は進学希望のトップは外部の大学3年への編入だったが、今年の5年生の状況は変わってきた。トップクラスの学生は専攻科を希望。高専からのカリキュラムの連続性が高く無駄が無い。授業料が本科と同じなので、大学と比べ非常に安い。専攻科卒業後、大学院を受験する。
(これはよその高専も同じ状況で、今年22年度の群馬高専の進学状況をhpで見てみると、75人余の専攻科卒業見込み者の内、東工大大学院22筑波大学院15東大大学院7東北大大学院6・・と、びっくりする数字)

・科学系部活は、高専ロボコンエコラン(省エネカー)ロボカップ高専プロコン等がある。

・研究室(職員室は無く、各先生は大学と同じでひとりずつ研究室を持ち、学生特に高学年の卒研生が出入りする)の紹介がいくつかあった。
  生産システムコース坂本研 コンカレント・エンジニアリング(上述のコンピュータを一番使うのは生産システムという意味がわかる)
  電気電子コース石橋研 省エネ化を実現する電源の研究

・推薦入試(面接)を受ける人へ
 自分を「売り込みに」来てるんだと思え。試されると思うからあがる。
 1人10分、3人の面接官。もっとアピールしないと、何の為に来たんでしょうねと言われかねず、もったいない。元気が良ければそれだけ受かる可能性が高くなる。
 以前と比べ、中学生の面接の練習が足りないと思う。聞かれることは決まっている。志望動機・将来何になりたい・社会との結びつき等

・情報科で必須で学ぶ言語はC++
 サッカーのシミュレーションを学生が説明してくれた。GKに学習させるというもので、どんな球がきて、どういう風に処理したら成功したあるいは失敗したということを学習させる。それだけではない。今回非常に新鮮な驚きだったのは、「別な試行」もやらせて「試行錯誤」で学習させるというもの。即ち、指示されていないこともやってみろということ。指示されていないことも自分で試しにやってみて、その結果を学習せよというもの。面白い!コンピュータもそんなことが簡単に(高専2、3年生の必須授業の内容で)できるのか!コンピュータにとって『指示されていないこと』というのはどこまでかな?はちゃめちゃなことはやらないのかな?

・心配だったから聞いた→そんなにプログラミングが得意な学生が、高専入ってから初めてプログラミングを勉強したって本当?
 本当でした。ほとんどの学生が、中学時代は単にPCが好きレベルでしかなく、プログラミングは知らない。ワープロ等の扱いが得意だった程度。

・校内見学ツアー
とても綺麗でちょっと素敵な図書館
テニスコート3面・グラウンドは都立で一番広い(共に夜間はライト完備)
屋根付プール(温水ではないが屋根があると泳げる期間が前後1ヶ月ずつ延びる)
3年生以下は高体連の大会への参加も可。

・機械工作実験室(いわゆる、高専で「工場」と呼ばれるところ)
産業技術高専では1年は全員が半年機械系、もう半年電気系の実習を1週間に4コマずつやる。
1年機械系実習は、鋳造・旋盤・フライス盤・溶接の4つの基本でジャイロごまを一人ひとつ完成させる。

・電気は、資格が大事。見えないものを扱うから。
資格が無いと、仕事もできないことが多い。高専生の95%は何かの資格を取得。

2010.11/20(土)東工大附属科学技術高校 説明会

・田町駅から正門が近い!高校生は元気だから雨でも傘は要らないかもしれない

・正式名称でないが、簡単な言い方だと「化学」「情報」「機械」「電気」「建築」の5分野があり、
私は「機械」「情報」の説明会と、全体の説明会に出席

・元々は工業高校だったということを初めて知った。てっきり国立附属の進学校で、普通高校だと
思っていた、が、元工業高校(今は科学技術高校と呼び方は変わったが)だけあって、授業カリキ
ュラムは全学年通じて専門科目の科目や分量は工業高校とそっくり

・高専・工業・そして東工大附属を比較すると、「ものづくり」において、工業は実践・実技をより
重視。高専も実践実技重視だが、3年でなく5年じっくり取り組めるところが理論へも時間をさける
違いがある。それらと比べて東工大附属はより理論重視。3年間なので実技への注力は少なくなる

・機械分野は、2年生全員が「学内ロボットコンテスト」に授業の一環として2~3ヶ月かけて取り組む。
ルールは先生が毎年考え、今年は第16回。優勝者は盛大なる栄誉で讃えられる

・制服が無いのはとても良いと思う

・理科系文化部としては、マイコン制御部と無線部がある

・入試は、推薦入試も一般入試も例年約3倍の倍率

・推薦入試は分野を決めて受験し入学するが、一般入試の合格者は2年生に上がる時に
専攻を決定する(1年次は全科共通カリキュラム)その意味は、推薦入試ではより何をやりたい!
という方向性を持つ生徒に来て欲しいから

・推薦入試では、中学1~3年の評定平均4以上をいわゆる足切りにする(あくまで足切りで、
内申は以降の判定に影響しない)

・推薦入試は、数学・理科第1分野の小テストと個人面接(配点比率1:1)

・一般入試は、英(100)数(150)国(100)内申(50)の400点満点

(君塚 直子)