【SZくんの成長】 勇気づけプログラミングストーリー001

SZくん:彼は個性派でした。LEGOのクラスでもビルディングカードの通りに作るよりは自由な発想でつくりたい生徒さんでした。片づけは苦手でした。友だちと仲良く遊ぶというよりはひとり関心のあることにのめり込むという印象でした。ちなみに彼はクラスでScratchを紹介したときはLEGOの車の制作に熱心で、実際に手をつけたのはその1年後でした。

右は彼がScratchを始めて間もない時期の作品です。棒人間のバトルゲーム(stick men wars)です。チュートリアルの「さかなゲーム」からの発展だったように記憶しています。「ちょっとこれは(Scratch)おもしろいかもしれないです」と言ってからは、家でもかなりの時間作りまくっていたと思います。1年位経過のころにはもう右の彼の代表作ZEROファイター(下4画像)のを作っていました。戦闘機が好きな彼にとってまさにライフワークとなりました。MITのScratchカンファレンスなどでプレゼンをし、Scratchのコミュニティでも有名になりました。彼の中でScratchは大きな位置を獲得していると思います。

 

 

 

私が2つの作品を比べ注目するのは画像による表現が明らかに精密になっていることです。SZくんは絵をかくのが得意とか楽しいという印象はありませんでした。しかし、自分が大好きな対象を納得のゆく形で表現したいという気持ちが強かったのだと思います。ゲームで登場させたい戦闘機の図面をネットで参照し、機体の比率や色彩を正確に再現させたドット絵をいくつも作成、その作り方のプロジェクトまで公開しました。まさに「楽しさ」が「難しさ」を乗り越え、才能が開花した様子を目の当たりにしたようでした。ラボ卒業後、高校では「読み聞かせ」のサークルでも活動したとのこと。これも当初のSZくんの印象からは意外に思ったものですが、こうしてScratchでの自分の世界を広げた取り組みを振り返ってみると「なるほどなぁ」とも思います。

現在彼はOBとしてでクラスを手伝ってくれています。ゲームのことを良く知っていてプログラミングのスキルが高い一方で、生徒さんとの関わりもやわらかく慕われています。SZくんは私に「人は好きなことを通して成長してゆける」ということを証明してくれています。

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