感激動画 JoiさんMimiさん

MITメディアラボの所長を務めた伊藤穣一さんと妹で文化人類学者の伊藤瑞子さん

つながりの学習(Connected Learning)という概念
ぼくらが模索してきたことがオーサライズされたような気持になりました。

ラボ新浦安を理解し、応援してくださるみなさんにぜひ見てもらいたいです。

00:58 コネクテッドラーニングとは?
02:30 研究対象は実の兄だった?!
04:50 学校以外で学びの場を見つけた兄
08:41 Nature vs Nurture 遺伝か?環境か?
14:53 タブレットとの付き合い方

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ゲームの理想的なやめ方

昨日は中3のJくんが、3Dプリンタの打ち出しに来てくれました。学校の美術の課題で時計の文字部分に使うとのこと。静かないい時間をすごしました。

中3生のこの時期は年明けの入試に向けて、戦場に向かう前の若者が感傷に浸るような気持ちになっているのかもしれないです。

『これからは勉強に集中しなきゃ、最後にこれだけははやりたい…』

だから案外思い出に残るような自己表現をしてくれます。
ちなみにゲーム大好きな中3も、心の状態がよければこの時期に自らSwitchの画面を閉じます。もちろん試験が終わったら自分にご褒美をあげると思います。

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コラボは自然な形で。

「ロボットのミッションをみんなでやるやつとか、やらないんですか?」
「そうねぇ。あれ楽しかった?」
「メッチャ楽しかったです!」

そうだったっけ? と思う…。

今みたいにイロイロ表現手段がないときは、ロボット競技一本でやってきたけど、
全員が楽しめるわけではなく、案外つまらない顔をしているメンバーがいた。

だから「自分の作りたいものを作る度合いを高める」ことをここ数年大切にしている。

主体性を重視すると、自由だけど時に寂しくなる?
ひょっとすると、そういう実感がでてきたのかもしれない。

だとすると、自然な形のコラボレーションが生まれるかもしれない。

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【勉強の点数だけ良くてもダメだ…】  勇気づけプログラミングストーリー002

小学校で必修化されたこともあり、いまや「プログラミング」は人気の習い事となっています。私は2000年からLEGOのフランチャイズ教室の教室長として仕事を開始し、2007年くらいからScratchによるプログラミングを導入しました。だからプログラミングをやってみたいという子どもたちともちろんご一緒させていただいていますが、ではなぜそれをするのかということに関して、この仕事に入った当初の想いを今でもかなり強く持ち続けています。
それはこうした表現活動を通して
「子どもたちの、内面を成長させてあげたい。自分も成長してゆきたい」
という想いです。

私は子どものとき、学校の勉強はできるまじめな学級委員タイプのキャラクターでした。一方で対人関係に過敏でした。友人や先生に言われた何気ないひと言が気になり世の中全体が灰色に見えてしまうような子どもでした。就職してからもそういった感覚を引きづっていました。システムエンジニアの仕事は大変だったけど、自分にとっては会社の対人関係のストレスの方がもっと大変でそれで会社を辞めてしまいました。心理学の勉強を始めたのもそれが理由です。

「勉強の点数だけ良くてもダメだ…」そんな想いを抱えていた私には点数にして評価しずらい、レゴブロック(のちにプログラミングも)の活動は「そこに何かがある」ように見えました。これに関連してアドラー心理学の故野田俊作先生の文章を引用します。

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「どこに向かって子どもを育てるか」

親たちに「あなたの子どもさんには、将来どのような大人になってもらいたいですか?」と尋ねると「経済的に世話にならない」とか「自分の足で歩ける人になってもらいたい」とか「人の役に立つ人」とかいうような答えが返ってくる。これを要約すると、

A「自立する」 B「社会と調和して暮らせる」

という二点になるであろう。これらをい「育児の行動面の目標」とよぶことにしよう。
筆者が学んでいるアドラー心理学では、「行動は信念から出てくる」と考えている。信念とは個人が持っている認知構造である。これを、ふつうは三つの要素に分けえて考えている。

A 自己概念「私は~である」という信念
B 世界像「この世は~である」「人々は~である」という信念
C 自己理想「私は~であるべきだ」という信念

ある人が、自立した行動や社会と調和した行動ができるかどうかは、適切な自己概念と適切な世界像を持っているかどうかにかかわっている。自己理想がなんであっても、自己概念と世界像が適切であれば、人は適切にふるまえるのである。「私は能力がある」と感じ「この世はいいところだ」感じながら生きるのであれば、どのような自己理想を追求するのであっても、自立して社会と調和した人生を選択する可能性が高まるのである。そこで、育児や教育では、適切な自己概念と適切な世界像の育成を目標にしなければならないことになる。
適切な自己概念と適切な世界像とはなんであろうか。筆者はこれを

A 適切な自己概念「私は能力がある」
B 適切な世界像「人々は私の仲間だ」

の二項にまとめている。これを達成することが育児と教育の目標であると考えるので、これらを「育児の心理面の目標」という。
このような信念は、個々の体験の中で、子どもが「私は能力がある」「人々は私の仲間だ」と感じることをくり返すうちに育ってくる。したがって、親や教師は、子どもと接する際にいつでも「私がこうすると、この子は『私は能力がある』と感じるかな、『人々は私の仲間だ』と感じるかな」と反省してみなければならない。そうすることによって、おのずと子どもに対して何をすればよいのか、何をしてはいけないのかがわかってくると思うのである。

【「甘い親・厳しい親・優しい親 ー アドラー心理学の立場から」野田俊作 児童心理通号712 金子書房 より】
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この文章は私に指針を与えてくれました。

小学校の必修化の目的は【プログラミング的思考】を育むことですが、私はプログラミングは【自分を表現するためのいち手段】と考えます。

コンピューターやインターネットは子どもたちが、自分が好きなように自分を表現したくなるキッカケを与えてくれます。そういう気持ちから生み出された作品は自分の分身。これを友だちと共有することを通じて

【私は能力がある】【人々は私の仲間だ】

と実感させてあげることができるのではないかと考えています。自分自身にもそうした機会を与え、子どもたちと横並びで成長してゆきたいと考えています。

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【SZくんの成長】 勇気づけプログラミングストーリー001

SZくん:彼は個性派でした。LEGOのクラスでもビルディングカードの通りに作るよりは自由な発想でつくりたい生徒さんでした。片づけは苦手でした。友だちと仲良く遊ぶというよりはひとり関心のあることにのめり込むという印象でした。ちなみに彼はクラスでScratchを紹介したときはLEGOの車の制作に熱心で、実際に手をつけたのはその1年後でした。

右は彼がScratchを始めて間もない時期の作品です。棒人間のバトルゲーム(stick men wars)です。チュートリアルの「さかなゲーム」からの発展だったように記憶しています。「ちょっとこれは(Scratch)おもしろいかもしれないです」と言ってからは、家でもかなりの時間作りまくっていたと思います。1年位経過のころにはもう右の彼の代表作ZEROファイター(下4画像)のを作っていました。戦闘機が好きな彼にとってまさにライフワークとなりました。MITのScratchカンファレンスなどでプレゼンをし、Scratchのコミュニティでも有名になりました。彼の中でScratchは大きな位置を獲得していると思います。

 

 

 

私が2つの作品を比べ注目するのは画像による表現が明らかに精密になっていることです。SZくんは絵をかくのが得意とか楽しいという印象はありませんでした。しかし、自分が大好きな対象を納得のゆく形で表現したいという気持ちが強かったのだと思います。ゲームで登場させたい戦闘機の図面をネットで参照し、機体の比率や色彩を正確に再現させたドット絵をいくつも作成、その作り方のプロジェクトまで公開しました。まさに「楽しさ」が「難しさ」を乗り越え、才能が開花した様子を目の当たりにしたようでした。ラボ卒業後、高校では「読み聞かせ」のサークルでも活動したとのこと。これも当初のSZくんの印象からは意外に思ったものですが、こうしてScratchでの自分の世界を広げた取り組みを振り返ってみると「なるほどなぁ」とも思います。

現在彼はOBとしてでクラスを手伝ってくれています。ゲームのことを良く知っていてプログラミングのスキルが高い一方で、生徒さんとの関わりもやわらかく慕われています。SZくんは私に「人は好きなことを通して成長してゆける」ということを証明してくれています。

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